みなさん、こんにちは! 医薬品登録販売者のみちるです。
ある日の会話
常連客のキヨミさん:
はぁ〜……みちるさん、私もうダメかもしれない……。
みちる:
キヨミさん、いらっしゃいませ!なんだか今日はお疲れみたいだけど何かありましたか?
キヨミさん:
聞いてくれる?健康のためにって、もう3ヶ月も毎日1万歩歩いてるのよ。それなのに…体重が1キロも、い〜〜〜っさい減らないの!むしろ、ふくらはぎがパンパンになって、なんだかたくましくなった気さえするの…。若い頃はちょっと運動すればすぐに体重が落ちたのに、50代になるとこうも違うなんて…。
みちる:
キヨミさん、毎日1万歩!それは素晴らしい努力です!本当にすごいです!
でも、結果が出ないと心が折れそうになりますよね…。もう、その気持ち分かります。50代の私たちが直面するその悩み、努力不足が原因じゃないんです!
キヨミさん:
え!じゃあ、一体何が原因なの?
みちる:
頑張り屋さんのキヨミさんのような方が陥りやすい、“落とし穴”があるんですよ。原因が分かれば、今の努力を無駄にせず、ちゃんと結果につなげていけますから、安心してください!

▼「医薬品登録販売者」って?
「医薬品登録販売者」とは、一般用医薬品(市販薬)の約9割を販売でき、お客様へのご相談に応じられる国が認めた医薬品の専門家です。薬剤師と違って薬の調剤やすべての市販薬の販売はできませんが安心してご相談ください。
本格的なお話に入る前に、ひとつだけお約束です。
この記事は、皆さんの日々のセルフケアのヒントになる情報をお届けするものですが、特定の病気の診断や治療を目的としたものではありません。もし、膝や腰に痛みがあったり、持病をお持ちだったり、健康に不安のある方は、必ずかかりつけのお医者様にご相談の上、運動などを試してくださいね。
あなたの体を一番に考えて、無理なく進めていきましょう!
あなたの努力は間違っていない!ただ、私たちの体には”変化”が起きています
「頑張っているのに痩せない」と感じるのには、ちゃんとした理由があります。
まずは、私たちの体に起きている3つの大きな変化について、一緒に見ていきましょう。
【落とし穴1】良かれと思った運動が…「燃費の良いカラダ」のままだった
キヨミさん:
燃費が良いって、エコカーみたいで良いことじゃないの?
みちる:
そう思いますよね?でもダイエットにおいては、これが少し厄介なんですよ。年齢とともに私たちの体は、少ないエネルギーで活動できるように、知らぬ間に『省エネモード』に切り替わっています。これが基礎代謝の低下です。

【ナビ助の補足コーナー】
キヨミさん、昔の車と今のエコカーを想像してください!同じ量のガソリン(食事)を入れても、エコカーは全然ガソリンが減らないですよね?今のキヨミさんの体は、まさにその最新エコカー状態なんです!だから、昔と同じ量のガソリン(食事)だと、余ってしまうんですね。

年齢別に見たエネルギー消費量
厚労省 健康日本21アクション支援システムWEBサイトより引用
みちる:
ナビ助の言う通り、年齢とともに筋肉量が減ることで何もしなくても消費されるカロリー(基礎代謝)がどうしても落ちてきてしまいます。ウォーキングのような有酸素運動を頑張っても、昔ほどカロリーが消費されにくいんです。若い頃と同じ運動量でもカロリーが消費しきれない→痩せにくなっている、ということですね。むしろ、運動だけでは筋肉を増やすのが難しいため、省エネモードを加速させてしまうことさえあるんですよ。
【落とし穴2】お腹まわりの脂肪は…「ホルモンの仕業」だった
キヨミさん:
体重もそうだけど、お腹まわりも気になっちゃって…。昔はこんなじゃなかったのに…。
みちる:
それも、女性ならではの体の変化が大きく関係しています。50代になると、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少してしまうんです。実はこのホルモン、内臓脂肪がつくのを抑えてくれる働きがあったんです。
キヨミさん:
えー!そんな大事な働きをしてくれてたの!?
みちる:
そうなんです。その”ガードマン”がいなくなることで、今までと同じ生活をしていても、お腹まわりに脂肪がつきやすくなる。これもキヨミさんのせいでは決してない、自然な体の変化なんですよ。
【落とし穴3】運動後のご褒美が…「筋肉のご馳走」になっていなかった
キヨミさん:
運動の後は、お腹が空くから『頑張ったご褒美!』って、ついお菓子とか食べちゃうのよね…。
みちる:
頑張った後はおいしいものが食べたくなりますよね!でも、そこが運命の分かれ道なんです。運動後の体は、傷ついた筋肉を修復するために、『今すぐ材料をくれー!』と叫んでいる状態です。

ナビ助:
筋肉の大工さんが『お腹すいたー!ご褒美ちょうだい!』って言ってるイメージです!ここで大工さんが喜ぶ材料(タンパク質)をあげると、前より強くて立派なおうち(筋肉)を建ててくれるんですよ!
みちる:
そうなんです!運動後に本当に摂るべきは、筋肉の材料になるタンパク質なんです。ここで糖分や脂質が多いものだけを摂ってしまうと、せっかくの運動効果が半減してしまうんです。
【解決策】明日からできる!頑張りを”結果”に変える3つの新習慣
キヨミさん:
原因はよく分かったけど…。じゃあ、これからどうしたらいい?ジムとかはいろいろハードルが高いし…。
みちる:
大丈夫!今の生活に『ほんの少し』プラスするだけで、体はちゃんと応えてくれます。比較的やりやすいものを3つだけ、こっそりお教えしますね。
1.ウォーキングに「プラス10分」だけ!おうち“育筋”トレーニング
まずは筋肉を育てて、燃費の悪い(=代謝の良い)体を目指しましょう。おすすめは『ゆっくりスクワット』
テレビを見ながらでOK!椅子の背もたれに捕まって、5秒かけてゆっくり腰を落とし、5秒かけてゆっくり上がる。これをまず10回から。
膝がつま先より前に出ないように気をつけてくださいね。痛みを感じたらすぐにお休みしましょう。無理のない範囲で試してみてください。
2.運動後の30分が勝負!「魔法の栄養補給」
さきほどナビ助が言ってたように、筋肉のごちそうとして運動が終わったら、なるべく早く無調整豆乳やギリシャヨーグルト、ゆで卵などを摂ってみてください。
運動前にお腹が空いているなら、30分前にバナナを半分食べておくと、エネルギー切れを防げますよ。
3.寝ている間に痩せ体質へ!「睡眠ホルモン」を味方につける
意外かもしれませんが、質の良い睡眠もダイエットの強力な味方です。睡眠不足だと食欲を増進させるホルモンが増えてしまうんです。ゆっくりお風呂に浸かったり、寝る前のスマホ時間を少しだけ読書に変えたり。心地よく眠る工夫が、食欲を自然にコントロールしてくれます。
実は質の良い睡眠も大切なんです。睡眠不足になると、食欲を高めるホルモンが増え、食欲を抑えるホルモンが減ってしまうことがわかっています。
ゆっくりお風呂に浸かったり、寝る前はスマホを少しお休みしたり…。
心地よい睡眠を意識してみてください。
【まとめ】焦らなくて大丈夫。あなたのペースで、新しい一歩を踏み出しましょう
キヨミさん:
なるほど…。どれも、今の私でもすぐに始められそう!なんだか、また頑張れる気がしてきたわ!
みちる:
よかったです、キヨミさん!焦らなくて大丈夫ですよ。これまで運動を続けてこられたこと自体が、本当に素晴らしいことなんですから。
その努力を、今の自分の体に合った方法にちょっと調整してあげるだけ。完璧じゃなくていいんです。まずは今夜、CMの間に10回だけ、ゆっくりスクワットから試してみませんか?その一歩が、1ヶ月後のキヨミさんをもっと笑顔にしてくれるはずです。私もスクワットしようかな。
引用元・参照サイト
健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~(厚生労働省)
加齢とエネルギー
大正製薬 製品情報サイト リポビタンSports
運動後の食事タイミングや運動後に摂りたい栄養素とは
大正製薬ダイレクト健康お役立ち情報
健康コラム Vol.4 消費カロリーが見える
こちらのサイトのこのコラムは日常生活での動きがどのくらいの消費カロリーになるかの目安がわかりやすくて、ちょい足し運動におススメです。

